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7月の勉強会(オットーボック製品を知ろう) 第1部 パラリンピック

昨日は工房主催の勉強会でした。お話ししていただいたのはオットーボック・ジャパンの中島浩貴さん。

 

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第1部はパラリンピックの話でした。中島さん自身がパラリンピックにすでに3回参加されています。選手としての参加ではなく、選手が使う用具のメンテや修理を担当。

 

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貴重な話を聞くことができました。オットーボック社が公式のメンテ工房を引き受けています。

 

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80名のオットーボック社の技術スタッフが26か国から参加。オットーボックは世界企業なんです。参加者数4300人、2700件に対応。その内訳は車椅子が80%、義肢が13%、装具が7%と圧倒的に車椅子が多い。

 

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オットーボックの負担だそうです。

 

中島さんが直接見聞きした話ですが、僕らは驚くことばかりでした。

 

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ハンドサイクルの用具の破損も修理します。

 

選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるようにメンテ工房は最高の技術やパーツを提供しています。しかし、場合によっては、最新のものじゃないこともあります。

 

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発展途上国から来た選手の義足が破損したと持ち込まれました。この義足はわが国でも歴史的な展示物になっているもので、ご本人も他の人から譲り受けたものでした。帰国してからも容易にメンテできるように最新モデルではありません。

 

ところでパラリンピックなどでは発展途上国とは言わないそうです。標準国というそうで、他は先進国だそうです。

 

脳性麻痺の方が電動車椅子でテニスをやっています。

 

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左手はラケット。そして右手にはジョイスチック(操縦桿)。

 

では、どうやってボールをトスするのでしょうか?

足を使う以外ありません。それで、フットサポートがよく破損するそうです。その修理もやったそうです。

 

両手を失った人がアーチェリーの選手として活躍しています。

 

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飛距離ではナンバーワンだそうです。確かに足のほうが腕より長いし力が発揮できますね。

 

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上の写真はフランスのテニス選手の車椅子。カーボンファイバーが主材料で、何とハンドリム(英語だとプッシュリム)もカーボンでトータルコストは数百万円だそうです。世界ランキング1位の選手の車椅子ですが、国枝選手が勝てるか?

 

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残された左手と右足で自転車競技をやるアスリートも!

 

中島さんが何度か口にしましたが、「このようなハンディを負った人に、誰がこのような競技を勧めたのでしょうか?」。事故や病気で絶望の淵に立った患者がアスリートに変身するには必ずどこかに背中を押す人がいたはずです。これこそが社会(共同体)のパワーなのだと思います。

 

だめなことやできないことを列挙するのではなく(失った機能にとらわれることいなく)、可能性に着目するという発想です。

 

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彼は戦場カメラマンでしたが、地雷を踏んで両足と左手を失う大怪我。

 

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2年もたたないうちにカメラマンとして見事に復帰し、パラリンピックの取材。このご本人の不屈の精神を支えたのは、医療のみならず用具の力も大きいと思いました。

 

僕らが勇気づれられる話でした。(第一部 終わり)

 

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