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第2回 多摩シーティング勉強会を開催

昨日(10月19日)午後から第2回目の「多摩シーティング勉強会」を開催しました。

 

プログラムに記載した趣旨は以下の通りです。

 

近年、周産期医療の進展により従来のような典型的な脳性麻痺児の出現は激減していますが、重度化は否めません。また早期発見・早期治療も進み、座位保持装置の普及もあり、寝かせたままで放置される子どもたちは少なくなってきています。前回は「24時間ケア」も話題になりました。重症者の高齢化も問題になってきています。子どもたちの生涯を通したケアのあり方、特にシーティングにフォーカスした議論を望んでいます。

 

この勉強会は、子どもたちの日常生活の底支えしている福祉用具(主に座位保持装置や車椅子など)が実際にどのように処方され製作されているか、さらにそれらの使用現場での実態などを確認し、今後の課題を明らかにし、より良い用具の普及をめざすための勉強会です。なお次回は2020年4月に予定しています。(毎年2回開催・30名以内)

 

◆講演1「日本における子どもたちのシーティングの歴史的変遷」 

岸本光夫さん(作業療法士)

神奈川県にある重症児・者医療施設ソレイユ川崎 リハビリテーション部に勤務。

 

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◆講演2 「重度障害児の入浴に関する実態と支援機器について」

繁成 剛さん

東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科教授。

日本リハビリテーション工学協会 前会長、現在 顧問。

 

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◆講演3 「シーティング技術の国際化へ向けて」

半田隆志さん(埼玉県産業技術総合センター)

 

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事例報告など発表

 

◆「電動姿勢変換椅子P-5が世界を変える」

車いす工房 輪 浅見一志さん(シーティングエンジニア)

 

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◆「頭が椅子から落ちずに座りたい:凹側に荷重し、体側の伸長を促すポジショニングを活かした座位保持作成」

東京都立府中療育センター 濱田里砂さん(作業療法士)

 

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左が発表者の濱田さん。最後のスライドを拡大したのが下の写真。製作を担当しましたが、事前の取り組みについてはあまり知らなかったのでとても参考になりました。またその後の結果もとても良かったと聞き安心しました。

 

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◆「「評価(心身、活動、環境など)」と「生活場面でのデモンストレーション」の大切さを学んだケース」

川崎市北部リハビリテーションセンター在宅支援室 濱口陽介さん(作業療法士)

 

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そして最後は、講師3名と事例報告者3名および参加者を交えて質疑応答やパネルディスカッション。

 

進行;木之瀬 隆さん(作業療法士)

螢掘璽謄ング研究所(代表取締役)、日本車椅子シ-ティング財団(代表理事)

 

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一番奥が進行役の木之瀬さん。この勉強会は、このくらいの人数がいいですね!

 

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この2回目を開催するにあたって、事前に岸本さんに相談しました。

 

少し話をして分かったことですが、僕ら製作者は、乳幼児期から関わることも多く、その子が通うリハ施設、そして学齢期になると支援学校、卒後は地域の作業所などで、新しく座位保持装置(椅子)や車椅子が必要というときに声がかかります。その子の生涯を通して、生活全般といわなくてもいいですが、身体状況の変化をきちんと見ている方は保護者以外にはあまりいないのではないかということでした。(実は工房には昔の記録も残っています)

 

今、工房の仕事としても少なくないのが、高齢化した重度肢体不自由者のための座位保持装置付きの車椅子の注文です。

 

なかには、子どものころから「でく工房」が関わってきた方もいます。小さいときのどのような対応をしておけばよかったのだろうかなど、考えさせられることも少なくありません。

 

この勉強会は、多摩という地域の中で、子どもが育ち、就学・就労と同時に安心できる生活の場を得て、そして人生最後の暮らしの場を求める方たち(これは我々の生涯とまったく同じですね)のために、シーティング(気持ちよく「坐る」)という観点から、より良い生活環境を提案するための学びの場になることが大事だと再確認しました。

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