39年前に「でく工房」を始めたときから、椅子の図面は1/5で描いています。通常の木製品の場合は、それですぐに製作することが多いのですが、量産を前提とした場合は、試作に入る前に原寸図を描くこともあります。
パイプフレームの椅子の場合は、アルミの針金でラフな模型を作って全体のイメージを確認します。
これから図面を微調整します。
光野有次の気分はバリアフリー今や新大陸発見はできません。
また新生物や新星の発見も容易ではない。 しかし身の回りで起こる小さな「オヤ?」は発見できるかも? |
39年前に「でく工房」を始めたときから、椅子の図面は1/5で描いています。通常の木製品の場合は、それですぐに製作することが多いのですが、量産を前提とした場合は、試作に入る前に原寸図を描くこともあります。
パイプフレームの椅子の場合は、アルミの針金でラフな模型を作って全体のイメージを確認します。
これから図面を微調整します。
三好さんと出会ったのは、1986年の秋のことでしたので、4半世紀以上前のことでした。
僕は三好さんに教えられることが多かったのです。一番の衝撃は「老人問題とは、老人の問題ではなく、人が老いるときにそれに対応できない社会の問題である」と看破した点で、まさしく目から鱗でした。
そして、例のクロード・レヴィ=ストロースの言う「ブリコラージュ」というキーワードを教えられたことでした。
でく工房で、例の「側臥位3兄弟」を実感していただきました。
メーカーの協力を得て、こんな椅子を開発しました。
まだ試作品ですが、ワンタッチのレバー操作で、座面の高さを35センチから55センチまで可変できるものです。
「ネーミングをお願い」と頼まれたので、思わず「アサ・・」と言いかけてしまいました。名前は、これからです。今のところ、単なる「昇降椅子」です。
8月を除いて毎月一度、土曜日にスタッフの研修会を開催しています。本日は人体寸法の計測法を確認することがテーマです。
でく工房が伝統的にお得意としている採寸モールド法の見直しです。採寸したデータをいかにウレタンフォームの加工に結び付けるかが、この仕事のミソですが、それがうまくいくと仮合わせの時の作業が楽になります。つまり効率のよいモールドクッションの製作法を確立することになるわけですが、今回は新人教育という目的もありましたが、スタッフの技術の標準化という点も目的にしていました。
以前にやった勉強会で計測点を確認していましたが、実際にやってみて、それを確認しました。その結果、記録用の人体寸法図の一部改定を行うことにしました。
今回の一番のポイントは、骨盤の採寸方法でした。骨盤の高さはどのように測るといいのかをディスカッション。
上後腸骨棘(PSIS)を目安にしようということでしたが、実際にやってみると、その点を探し出すのは難しい。上前腸骨棘(ASIS)は比較的探し易いので、できるだけ骨盤を起こして、座面からその高さを測ることにした。
我々の業界では上前腸骨棘(ASIS)と上後腸骨棘(PSIS)の2点を結んだ直線が、座面(水平)から何度傾いているかで、骨盤の傾きを表現している。若い人の場合、立位のときはほぼ水平で、坐ると後ろが下がる。正坐よりも胡坐(あぐら)をかくと、もっと傾く。
それはともかく、基本は同じでも、細部になるとこれまでは、各自がそれぞれのやり方で計測してきたことを、一定の基準で計測することを決めたということです。
上の図をご覧いただければ、わかりますが、腸骨稜の高さ、つまりヤコビー線を測るのが、わかりやすいですね。骨盤の傾きを知ることも大事ですが、腰背部のウレタンフォーム製のクッションを作成するときに、まず必要な情報です。
6月2日は久しぶりの札幌です。
10時から16時20分まで、道民活動センタービル820研修室です。
「介護職のためのシーティング講座」です。詳しくは、0120−60−3343
http://www.e-kaigonavi.com/kirara/products/detail.php?product_id=7868
プログラム;
10:00〜11:10「お年寄りの姿勢とQOL」
11:25〜12:35「お年寄りに多い障害・疾患と姿勢管理」
13:45〜14:55「快適な坐位のための姿勢づくり」
15:10〜16:20「用具に応じたシーティングの実際」
残席はあるのかな〜?
17日(金)は仙台でした。レンタル事業者のためのシーティング研修会で、こんな感じです。
こんな方(この分野では知らない方は「もぐり」と言われるかも?)も来てくださいました。
別に今更シーティングを学ぶ必要がない方です。というよりは車椅子やシーティングに関しては指導者のひとりです。実は会場に来られた理由の一つとして、噂(?)のモデラートを体験するということでした。
そして、本日(19日)は、国際医療福祉大学大学院のシーティングの講義でした。
社会人のコースのために設けられたコースなので、僕が担当するのは日曜日です。
全3回で、朝から夕方までの集中講義ですが、本日はその中日で、実際に用具に触れ、体感してもらう日でした。
今、湖山リハビリテーション病院の串田さん(作業療法士)を中心にして、リハドクターの鈴木先生と僕の3人で、新しい本をつくっています。
高齢者のシーティングがテーマです。高齢者の入院が多い病院のみならず老人施設や在宅の介護の現場で働く方に「シーティング」をもっと身近なものとして理解していただき、実践していただくことを狙ったものです。
雲母書房で三好さんや福辺さんと一緒に出した本「生活づくりのシーティング」と重なる部分もありますが、症例・事例検討を中心にして、より実践的な本になることをめざしています。
出版は ヒポ・サイエンス出版 http://hippo-science.com/
いよいよ追い込み作業です。串田さんのうちに宿泊。
この素敵なログハウスが串田さんの住まい。
お昼休みはすぐ近くの白糸の滝へ行き、富士宮名物の焼きそばでした。
左は串田さん。右は編集者の小平さん。
5月15日(水)は2か月に一度、奇数月に開催されている勉強会でした。新年度のスタートです。
次回は、7月17日(水)18:30から2時間、今年度の基調講演として三好春樹さんの講演会です。演題は「坐ることが生活の出発点」です。外部からは先着70名の限定です。参加希望者は、湖山リハビリテーション病院の担当者の串田さんに申し込んでください。
今年は年間テーマとして「坐ることが生活の出発点」として症例検討を
中心にして参加者全員で考えるということで、グループ討議をメインにしています。
第1回目の様子です。主催者の串田さん(作業療法士)の挨拶でスタート。
今回は欧米では見かけることができない日本特産のフルリクライニング車椅子がテーマです。
参加事業者のプレゼンの時間です。
連休明けに椎名誠さんのこの本を読み、間に何冊か読みながら(僕は活字中毒症なので)こんな本も読み、今、自分のこれからのことも、逃げないでまともに考えなきゃ、という気分になっています。
(映画もいいですが)本って、素晴らしいですね〜!
実は、「ブリコラージュ」9月号の編集責任者に僕がなってしまったからということもあるのです。
「ブリコラージュとは何か?」をまた深く考えるチャンスをいただきました。三好さんに直接聞いてみますね。
昨日、知人の子どもが利用している学童クラブに出向いて、車椅子の話をしてきました。
カレンダーとポスター。
車椅子らしき絵は子どもの作品。
最初に、「車椅子について何でもいいからお話しできる人」と尋ねたら、多くの手が上がった。小学3年生までは意思表示がはっきりしている。
学童クラブは2階にありましたが、1階は知的障がい者の通所施設になっていて、車椅子の利用者も見かけるらしく、車椅子について知っている子どもたちでした。
それをホワイトボードに書いてもらう。みんな喜んで答えてくれたが、多くの子どもは「足が使えなくなった人の足代わり」というイメージを持っていることがわかった。特にそのことでかわいそうというような感じの発言はなかったのは、この環境で育ったことの成果ともいえるのかな。
そのあとパンテーラに乗って(自分としては)軽やかに動いてみせたつもり。
テラスと部屋の間に少し段差があったので、そのままではテラスから部屋に入れないことを示した。すると、「もっと勢いをつけたらいい!」と大きな声。
まさにピッタリのタイミング。僕は勢いをつけて、その段差に向かった。
キャスターが段差に引っ掛かり、前方に大きく転倒。みんな大喜び。
もう一度、試みる。みんなは再度の転倒を期待(?)したが、それを僕は見事に裏切った。
キャスターをわずかに浮かして、その段差を音もなく乗り切ってみせた。
一瞬、静まり返った。すると一人の子が「浮いたのが見えたよ!」と叫んだ。再度やって見せた。多くの子が「見えた〜」と大喜び。完全に子どもたちの心を捕まえることができた。
それで、キャスターを上げることをやってみせた。子どもたちの目は僕に釘付けになっているのがよくわかった。
そのあと子どもたちに乗ってもらうことにしたが、これだけの人数、どうすればいいかわからず、僕とジャンケンして勝った人だけというルールを採用した。3回目で7人ほど残ったので、乗ってもらった。みんなキャスター上げを何とかマスターしようとする。
他の子もとても乗りたがっているのが分かり、指導員からリクエスト。乗りたい子どもは左右に2つに分かれて、片道でバトンタッチ。これで乗りたい子は皆乗れ、物足らないようだったが納得してくれた。乗らなかった子は数人いたのかな。
そのあとで、車輪を外してみせると、大きな驚きの声。
そして持ってもらうと、その軽さに、また歓声。
最後は、質問タイム。これまた板書してもらい、まとめて答えた。1時間という限られた時間だったが、子どもたちは大変喜んで大きな拍手。
終わってからサインを求める子もいた。「なるだけぐちゃぐちゃと続けた字でね」と頼まれ、大事にしているケン玉にもサインをさせられた。
以前は何度も長崎でてこいランドで子どもたちに話をしていたが、今回久しぶりに話すので、やや緊張したがうまくいき、終わってから、このイベントの企画者から、焼肉屋でおいしくビールとワインをたらふくご馳走になり、至福の時を過ごせた。